賃料が安い物件は、無理ゲ―な件
不動産投資をするなかで、一番やってはいけないことがある。
それは「賃料の安い物件」に投資することだ。
結果「無理ゲ―(勝つのが無理がゲーム)」となる。
例えば、500万円のワンルームが売っていたとする。
賃料が毎月45,000円取れている。
となると、年間540,000円、すっげえ利回り10.8%。
となる。
これだけ見れば、年金代わりに持っておくのもいいだろう。
しかし、利回りの高さだけで見ては大変な目にあう。
手数料ゼロ円?
年間54万円ゲットできる物件ではあるが、当然そもそも空き家の場合入居者募集しなければいけない。
実際最近の傾向だが、仲介手数料を1か月分だけ払って決めてくれることはなかなか少ない。
なおさら安価で売りに出ていた物件であれば、2~3ヶ月分くらいの募集費用が掛かる場合もある。
余談であるが、よく「仲介手数料無料!」という文句でやっている不動産屋さんもいるが、それは当然貸主側からそれなりの費用がもらえるから出来ている。
また、礼金や敷金も今ワンルームなどではゼロ物件が主流。
昔なら礼金もらえれば、募集費用に充てられたものを、それができない。
よって、入居者を確保してもまずは支出からのスタートとなる。
掛かるものは掛かる
また、賃貸住宅の運営をしていると切り離せないのは「設備の更新」。
そもそもエアコン付きの物件がこのレベルの物件になると、あたりまえなので逆にエアコンが壊れたら貸主負担で修繕となる。
さらに経年であればクロスの張り替え、床の張り替えなども出てくる。
例えばITや電熱式でもいいが、壊れて交換となれば「月額4.5万円!」っていう物件なら1か月分は飛ぶ。
エアコンなら安いものでも1.5か月分、クロスの張り替えともなれば2から3か月分は飛んでいく。
給湯器が壊れたら詰む
また、最近では給湯器の品不足、特にマンションタイプが非常に手に入りづらい。
交換費用も半年分くらいの費用が掛かるが、もっと問題なのは「交換までの賃料の設定」である。
昔は給湯器が壊れてもすぐにモノがあったので、修理できたが今は3ヶ月待ちなどザラ。
その間入居者がお湯がでない、すなわちお風呂も入れない。
と、なれば近所のお風呂屋さんの費用相当額は、賃料から引いてあげないといけないだろう。
銭湯の入浴料金の平均は兵庫県で450円。
450円×30日で13,500円。
とはいえ、それ以外のお湯も使えないことを考えれば、月に2万円程度は賃料を引かないと入居者も納得しないだろう。
そうなると、月の賃料収入も減って給湯器の仕入れ工事代金で1年分くらいの賃料はパーになる計算だ。
そう考えると、賃料が取れない物件はちょっとしたことで全体の収入の割合が大きく変わってくる。
よって、投資効率として「参入しやすいが、実際はそんなに儲からない」ということになる。
実際先日も賃料4.4万円の部屋が退去になり、そろそろクロスと木部の塗装がいるなーと見積もったら31.5万円だった。
約7か月分の賃料が消える。
これが月6.5万円の賃料がもらえる物件なら約5か月分となり、こうした差がでる。
安い投資物件は、参入は容易だが長期的な目線で見れば無理ゲ―となる可能性が高い。
初期投資が高くてもちゃんと賃料の取れる物件で投資をすべきだと考えます。