不動産を持つということ



不動産を持つということ

最近自社の不動産を売却する大きなニュースが2つ飛び込んできた。

電通と日通の本社売却の話だ。

当然、コロナの影響や、テレワークの推進などで事務所が縮小傾向にあるなかとはいえ、こうした大きな売却話は驚かされる。

ニュースになり、僕自身も驚きはするものの、少し考えば「まあ、普通の話」である。

不動産を持つ覚悟

実際、今回は大手だからニュースになっているが中小企業においても「自社ビルを売買する」なんてことは珍しいことではない。

僕自身も多くこうした機会に立ち会わせてもらっている。

これについては、意見はいろいろあるかもしれないが「自社の事務を行うための自社ビル」は、僕はあまり勧めていない。

もちろん工場で生産があるので、工場を購入するとかはいい。
なぜなら、投下資本とそれに対する利益がでることを計算しておこなうからだ。
しかし、そうではない「自社ビル」で失敗する会社は多い。

そもそも不動産を持つ覚悟が足らないともいえる。

なぜ、そんな風になってしまうのか?

利回りを度外視する自社ビル

良くある話が、「お金があるから自社ビルを買おう」「銀行から資金繰りもいいのでそろそろ自社ビルでも、と言われて考えてみよう」である。

これは極めて危険である。
なぜなら、たいていの場合「利回りを度外視して買うから」に他ならない。
もちろん建てる場合もだ。

普段資金投下を慎重にしているところも、なぜか自社ビルとなると計算ができなくなる。
「買って、そんなに返済するなら賃貸でいいんじゃね」という話もあるのだ。

しかし、「いや、自社ビルなので!」とやたら高い費用をかける会社が多い。
税務的に考えれば、自社ビルは資産になり経費は一括で落とせないし、建物は減価償却だ。
反対に賃貸であれば「全額経費」である。

売るときに困るパターンの自社ビル

結果、買うときは業績がいいが、売るときは早く手放したい。
しかし、その時困るパターンがある。

当然だが、自社ビルとなると「自社の使い勝手のいい仕様」でつくる。
ただ、それは「みんなが使いやすい」とは言えない。

いざ売るときになって、買い手の立場でみたら「癖があって使いにくい」なんてことは多々ある。

賃貸がおすすめな最大の理由は「身軽に動ける」こと

法人が賃貸で事務所を構えることの最大のメリットは「身軽さ」である。
従業員の増減、今回のようなコロナなどの対応においても身軽に対応できる。

特にこれからいろんなことが不確定な世の中になる、よって企業にとっても身軽さは大事である。

「自社ビルだと信用が!」「金融機関が自社ビルを進める」というのは忘れたほうがいい。
今時「へー自社ビルですか?」というだけで取引が始まるだろうか?
また、金融機関が喜ぶのは「不動産としての土地建物の担保がある貸し出しができる」からではないだろうか?

そもそもビジネスは「事業に投資して、利益を得る」ことを考えたら、メリットがない限り自社ビルの必要性というのはよく考えたほうがいい。

また、自社で持つことで様々な経費も必要になる。

今回の2つの大きな会社の自社ビル売却報道。
何か大きな「不動産の見方」を少し考える機会になるのではとおもいます。



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