第278回 考える順番

マンション売却アドバイザー田中徹也

第278回 考える順番

■ポッドキャスト(音声)で聞く⇒《音声再生ページ》 前回のポッドキャストでは、『売るというのはあくまでも手段ですよ』という話をさせて頂きました。これはどういったことかと言うと、マンションを売りたいというお考えの方がいるとしますよね。 ただですね、そのマンションを売ろうと思ったキッカケがある訳ですよ。 例えば、「今の家は手狭だから広くなりたい」とかね。 こういった何らかの今のマンションをここに住むことに対して何らかのデメリット、若しくはですね問題点があって、それを解決する為の一つの手段として「マンションを売ろう」とかですね考える訳です。 ですから、手段ですから当然売ろうということが一番正しい訳ではないかもしれない。 もしかしたら、貸すということが正しいかもしれないし、売らないということが正しい場合もあるんですね。 そういった意味では、「マンションを売るということはあくまでも手段であって目的が大事だよ」って話をしました。そしてですね、「じゃあこれを売ろう」という事になった。 この場合に「どういった事をしていけばいいのか」「何を準備すればいいのか」今日はこれについてお話をしていきたいと思います。「売りたいなあ」という事を考えた所で、売るという場合はいろいろクリアすべき問題点があります。 例えばですね、一番メインになってくるのはやっぱりお金の問題ですよね。売ることができるのか。それには、「お金の問題をクリアできているのか」という事が大事な訳です。 例えば、10年前に3000万円で買ったマンション、今売ろうとすると大体2000万円ぐらいにしかならない。住宅ローンを調べてみると、まだ2300万円残っている。 という事は、売るとしても300万円借金を返すお金を用意しなければいけない。 こういった場合っていうのがたたある訳ですね。 これを「売却をしよう」と思った所で、この300万円のお金が用意できない限りマンションというのは売ることができない訳ですね。 じゃあどうするかと言うと、例えば御家族にお金を一旦借りるとかですね。 銀行さんから別の枠で融資を受けて、それを使って返済をするとかですね。 そういった何らかの方法をとらない限り、このマンション売ることができないという事になります。依って、お金が原因でマンションが売れないという事になる訳ですね。 で、次に貸そうといった場合でも、じゃあ今度は貸して採算が乗るのかどうかという。 また、これお金の問題なんですよ。 例えば、今このマンションを維持するのに住宅ローンで10万円、管理費・修繕積立金で2万円ってことになりますと、大体1か月あたり12万円のコストがこのマンションを維持するのにかかっていると。 そして、このマンションを貸せば15万円入ってくるってことになれば、15-12でですね3万円毎月手元に残るという事であれば、まあまあとりあえず貸すという事もできるかなという事になります。但し、これがですね毎月12万円のコストがかかるのに家賃を賃貸に出すと9万円しかならないと。 依って、毎月3万円赤字が出る。年間で36万円の赤字が出る。こういう事であれば、「もう貸すこともちょっとどうしようかなあ」って考えになる場合もありますよね。 そういった意味でも、貸すという場合であってもお金の問題が大事ってことになります。 依ってですね、まず売ろうと思った場合、貸そうと思った場合は一番最初にすべき事は、それを行う上で必要な費用、いるであろう費用、かかるであろう費用を一旦全部書きだすという作業が必要になります。 そしてですね、これにどういった費用が必要になってくるのかについてはですね、次回細かくお話したいと思いますけれども、まずはお金を書き出すこと。 そしてですね、これ不動産屋さんにお願いしてもいんですけども、やはり不動産屋さんにお願いすると全ての不動産屋さんがそうとは言いませんけども、不動産屋さんの場合はですね売るの貸すの両方依頼された場合、売った場合手数料が多い訳ですよ。 ですから、どうしても売りたい売って頂きたい方向のアドバイスをしてくる可能性が極めて高い。依って、その前にご自身である程度、マンションを売る場合と貸す場合どういったお金がかかるのか。 これを見極めることが出来るというのは、非常に大きな武器になりますので、これをですね来週はしっかり教えたいと思いますので、こちらの方もしっかり耳を傾けて頂いてですね、学んで頂きたいと思います。 そしてですね、お金の問題がクリアしたら今度は心の問題です。 どういう事かと言うと、例えば貸すということになれば貸してる間ずーっとその物件の面倒をみなくちゃいけない訳ですよ。大家さんであれば当然、物件の主たる部分が自然損耗で壊れた場合はそのお金を負担しなければなりません。 例えば、湯沸かし器が普通に使っていたのに壊れたってことであれば、それはオーナーさんが直さなくちゃいけないっていう、そういう負担も出てきます。当然ですね、また一回入ってる人が出て、貸す場合は内装のし直し等出てきますので、そういった意味でもいろんなですね費用っていうのは当然かかってきます。固定資産税もかかってきます。 こういった事を含めて自分はこのマンションは貸して長期間に貸していくということの気持ちが固まっているのか。そういう事が大事な訳ですね。 そういった意味でまずは、中古マンションを売る場合、貸す場合、両方にとってですけども、まずはお金の問題を解決して心の問題を解決する。 そして、その次に解決すべきこともありますけども、これは次回、次々回にお話をしていきたいと思います。


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