契約してから引き渡しまでに「何か起きた」場合
今回西日本を中心にすごい雨がふりました。
僕の住む神戸でも連日雨。
中には契約は終わっていたけれど、引き渡しまでに自然災害により物件が損傷した。
なんてことがありますし、実際そうした案件もあるとおもいます。
今回は、もしそういうことが起きた場合の対応についてお話しします。
何か起きたら、すべては契約書
基本原則、何かが起こった時どうするかが掛かれるのが契約書です。
僕の所属する不動産保証協会の契約書のフォーマットにも、そうした場合の対応に関する条文があります。
それが「引渡前の毀損滅失」の項目です。
まずは一度条文を見てみましょう。
引渡前の滅失・毀損
第14条 本物件の引渡前に、天災地変その他売主または買主のいずれの責にも帰すことのできない事由によって本物件が滅失したときは、買主は、この契約を解除することができる。
2 本物件の引渡前に、前項の事由によって本物件が毀損したときは、売主は、本物件を修復して買主に引渡すものとする。この場合、売主の誠実な修復行為によって引渡しが標記の期日(引渡期限)を超えても、買主は、売主に対し、その引渡延期について異議を述べることができない。
3 売主は、前項の修復が著しく困難なとき、または過大な費用を要するときは、この契約を解除することができるものとし、買主は、本物件の毀損により契約の目的が達せられないときは、この契約を解除することができる。
4 第1項または前項によってこの契約が解除された場合、売主は、受領済の金員を無利息で遅滞なく買主に返還しなければならない。
簡単に言い換えると
条文で読むと少し小難しいですので、簡単にまとめておきます。
・契約後から引き渡しまでの間の話
・売主買主の責任のないことで物件が滅失したら買主は契約やめれます。
・破損が治せるのであれば、売主は治して買主に渡す。
・誠実に売主が対応した場合、修復で時間がかかっても、買主は延期について文句言えない。
・けど、治すのにめっちゃ大きい金額がかかる場合は、売主は契約を解除できる。
・買主も、もともと買う目的が達せられなくなったのであれば、契約を解除できる。
・上記の場合、授受してる手付金などは無利息で返還しましょう。
こんな感じです。
基本は治せるかどうか?
この条文を見る限り、まず治せるものかどうか?
これが大事です。
よって、治せる範囲であれば売主の立場としては、治さなければいけません。
もちろん、その治すのに大きなお金が掛かる場合は、3項に対応するのです。
マンションの場合で考えられることは?
実務上マンションでこうしたことが起こるとすれば、1階部分であれば浸水ですね。
また上層階であれば、地震により壁に亀裂が入った場合などです。
ただし、躯体の多くはマンションの場合共有部分のことがあります。
まとめ
本来はこうしたことが起こらないことが一番いいです。
しかし不測の事態に対応しなければいけないのも契約書です。
ぜひ、知っておいてくださいね。