売買契約後の台風被害などによる売主の修繕義務

マンション売却アドバイザー田中徹也

売買契約後の台風被害などによる売主の修繕義務

売買契約をしたあと、台風により被害があった場合その修繕義務を売主は負担しなければいけないのか?

どのタイミングで被害があったのか

一般的にマンションを売る場合、買主のほとんどが住宅ローンを利用します。
その場合に大まかな売買の流れとしては

1、買いたい人が現れる
2、買いたい人から申し込みが入る
3、交渉する
4、交渉がまとまり、売買契約の日程を決める
5、売買契約をおこなう
6、買主がローンの本申し込みをする
7、買主のローンがOKになる
8、残金を買主が支払い、売主が所有権を買主に引き渡す

こういう流れになります。
そして、今回の問題は
5の終了後、8の間に被害があった場合どうなるのか?
という話になります。

どちらが修繕をするのか?

一般的な売買契約書の中では「引渡前の滅失・毀損」のところに書かれています。

(引渡し前の滅失・毀損)
第X条 本物件の引渡し前に、天災地変その他売主又は買主のいずれの責にも帰すことのできない事由によって本物件が滅失したときは、買主は、この契約を解除することができる。
 
2 本物件の引渡し前に、前項の事由によって本物件が毀損したときは、売主は、本物件を修復して買主に引渡すものとする。この場合、売主の誠実な修復行為によって引渡しが標記の期日(C)を超えても、買主は、売主に対し、その引渡し延期について異議を述べることはできない。

3 売主は、前項の修復が著しく困難なとき、又は過大な費用を要するときは、この契約を解除することができるものとし、買主は、本物件の毀損により契約の目的が達せられないときは、この契約を解除することができる。

4 第1項又は前項によってこの契約が解除された場合、売主は、受領済の金員を無利息で遅滞なく買主に返還しなければならない。

売主の立場になって簡単にまとめておくと

・売主の責任ではない天災地変で建物が傷んだ
・その場合は、売主が修繕をして買主に引き渡さないといけない
・でもめっちゃ金掛かるという場合は、契約を解除することができる
・その場合は、売主は買主に手付金などのお金を受け取っていたら返還してね

こうなっています。

今回のように台風があった場合は?

この天災地変にあたるわけです。
ただし、マンションの場合売主は「区分所有者」になり、何かあっても自分でできるのは室内だけです。
外壁が傷んだ、バルコニーの隣との境の板が飛んだ。
これは「共用部分」になり、マンション全体の問題になります。

よって、台風などで室内にダメージがなければ売主として費用負担はないということになります。
ただし、共用部分にダメージがある場合は、その状況についてすぐに売却を依頼している不動産業者に連絡を入れておきましょう。



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