その話大丈夫なん?ってことで1億がパーになる話
2019-03-15
こんにちは、株式会社ユービーエル代表の田中徹也です。
またそんな話どっから聞いてきたん?
うちの会社が取り扱う物件は額が大ききものが多い。
そんな中、よくある話が誰に聞いたん?ほんまなん?それ。ってはなしだ。
いろんな人にお願いしたらダメ
とある土地建物(ビル)がありました。
そのビルのオーナーは口の軽めの方でした。
自分が持っているビルを売ることにしたのですが、ここで問題が。
オーナーは自らいろんな人に「うちのビル売ります、高く買ってくれるところないやろか。」とお願いして言っていました。
不動産の話というのは、いい話というのは表に出る前に水面下で動き、ほかの人が気が付いたころには名義が変わっていたっていうかんじで進んでいることが多いです。
よって、いい物件ほどうまく売らないといけないのです。
(この辺の理由についてが、またお話しします。)
さて、このオーナーさんがいろんな方に「売ります」と言ったもんだから、さあ大変になりました。
買いたい言う人おんねん
不動産屋さんというのは、まともな奴もいればろくでもない奴もいる業界です。
特にこうした案件では訳の分からないおっさん(ヤ〇ザではありません)が情報を耳にすると、どっからか資料を手に入れFAXしまくり、また走り回ります。
※昔は走り屋なんていわれていました、この話も後日で。
うちは、直接オーナーから売りたい意向を聞いていたので、買主を探すことにしました。
ええ値段やなーと思いながらも弊社のお客さんで1億で買うわ!というお客さんがいました。
※分かりやすいように金額をブログ用に変えております。実際はもっとたk 以下略
オーナーが売りたい値段にも近く、内覧もおこない買主も買う決断し、いよいよ購入の申込書をオーナーに出す段取りとなりました。
買主に購入申込書にハンコをもらい、持っていくことを伝え手渡しにいきました。
すると、オーナーは、こう言い出しました。
田中さんのお客さんが1億いうてくれてるけど、別の人から「1億2千万で買う言う人がおる」って言われてるねん。
この返事、1週間ほど時間くれませんか?
僕は嫌な予感がしました。
返す刀でこう言いました。
「その話って、ちゃんとした人がはっきりした買主を捕まえている話ですか?」
「こっちは細かい条件まで提示して、買主名の入った申し込みがありますけど。」
オブラートに包んだ言葉で言いましたが、ようはその話、ほんまでっか?ということを言いたかったのです。
よくある話
不動産業界において、〇〇億で買う人がおる話ってあるあるなんです。
もっというと「買いたい」と「買う」は違うということなのです。
仲介業者は売主側であっても、買主側であってもその双方に迷惑かかるような中途半端な話をもってきてはいけないのです。
しかし中には、前述のようにええ加減は話で動く不動産屋もいるのです。
オーナーは物件を売ることをあちこちの人に話していた結果、ちょっとええ加減な不動産屋さんかブローカーみたいな人の耳に入っていたのです。
よって、今回の「1憶2千万で買う話」もこういう推考を僕はしました。
・事前の打ち合わせで、うちの会社経由の買主が1億で買いたいと言ってることは、書面を出す前の段階で口頭説明はしていた。
・その話を聞いて、オーナーは別の人に1億で買う人が出てきたといった。
・いわれた人が、堅い話でもなんでもないのに「知ってる人が1億2千万で買うっていうてるで!」って伝えた。
・弊社から購入の申込書到着
こんなイメージですね。
これ以上説得しようにもどうしようも聞かないので、その場はあとにし1週間後を待つことにしました。
その後どないなったか?
結果1週間経ちましたが、音沙汰なし。
こちらから電話すると「1億2千万の人が買うっていうてるからお断りします」と言われました。
一応気になったので聞きました。
その1億2千万円の人ってそもそも
・資金の裏付け
・誰の名義で買うのか?
・いつ契約なのか?
ちゃんと決まっている話ですか?
するとオーナーは、この3つのどれも明確になっていないというのです。
僕は心の中で
(=゚ω゚) お、、おん。とおもったわけで。
そんな裏付けのない話とうちの話を天秤にしてもろても困るとも伝えましたが、結果オーナーはうちの堅い話を断りました。
結果は?
結果、この話はどうなったのでしょう?
はい、結論を申し上げますと所有権は現オーナーのままです。
結局1億2千万の話は、なーんの裏付けもない話だったのです。
「買いたい」と「買う」は違うというのがこういうことなのです。
で、普通に考えればうまくいかない話なら、もう一度こっちの話に戻ってくるかと言えば、それもなく。
その後数か月が経過、昨日になってこんな話がまた聞こえてきました。
あのオーナー、例の物件で「2億で買いたいって人おるみたい」って言うてたよ。
現段階のところ、そのオーナーはうちが持っていた買主と契約すれば手に入れていたであろう1億円はパーになったままの状態のようです。
大事な物件を売る方は知っておいてほしい
大事な物件を売る人は知っておいてほしいのです。
あなたがプロであればいいですが、そうでなければ
売る相談をする相手は、1人の信頼できる不動産屋さんだけにすること。
今回のオーナーの気持ちは、素人であればわからんでもないのです。
大事な物件を売るなら、1円でも高く売りたい。
しかし悲しいかな、普通の方ではその買いたい話が本物か、適性を見る能力は持ち合わせていません。
でも、それでいいのです。
そのために僕ら不動産屋さんがいるのです。
ちなみに逆を言うと。。。。。
最後に、逆の立場で考えれば、僕ら不動産仲介業者は買主をお世話する際も、その買主の買える裏付けをしっかり探りながらやらないといけませんね。
売主様にご迷惑が掛かりますからね。
これだけ読めば嘘みたいな話ですが、現実にあるのが不動産という世界なのです。